昨日取り上げた本のもう一方、「日本わらべ唄全集」にも面白い歌がいろいろ載っている。例えば、「桃栗三年」(群馬)。歌詞は
“桃栗三年、柿八年、柚子は九年でなりさがる、梨のばかめが十八年。”
“桃栗三年、柿八年”までは昔から聞き覚えていたが、その後は知らなかった。忘れたのかも知れない。群馬のわらべ唄となっているが、編者がたまたま彼の地で採集したということだろう。
メロディーも、序言によれば、必ずしも現地で採譜した通りではないらしい。楽譜の速度指定は Allegretto で、歌詞部分だけだと10秒ほどで終わりそうだ。
この機会にネット検索したところ、この地口には様々なヴァリエイションが出回っているようで、歌われてもいるらしい。
もう一つ、これは意外性で印象の強い歌:
手毬唄「あんたがた何処さ」(関東地方)
これは有名な歌だが、てっきり熊本地方のものだと思っていた。解説に拠れば、全国で歌われていたようで、肥後、熊本、せんば山といった地名は共通しているそうだ。
ただ、“狸”が“蝦”になったり、“猟師の鉄砲”が“漁師の網”になったりする地方もあるらしい。結びは“ちょとかぶせ”となっている。