もと科学(化学)少年たる当管理人は、一般向け科学雑誌などを好んで読む。理解できなくとも何がしかの幸福感に浸る事が出来る。東大の《理学部ニュース 2014年11月号 46巻4号》に学部生に伝える研究最前線「1兆分の1秒以下の世界をとらえる超高速カメラ」という読み物を見付けた。
高速カメラと言えば、昔、液滴が液面に落下衝突する過程や弾丸が板を打ち抜く過程のこま撮り写真を見た時の印象が蘇る。それらのこま撮り間隔は、恐らく一万分の一(10-4)秒程度だろう。
今回の超高速は1兆分の1秒(10-12秒すなわちピコ秒)を謳っている。昔驚いた高速カメラの一億(108)倍の速さだ。実際には更にその千倍の速さ(10-15秒すなわちフェムト秒)を実現したと書かれている。
この程度の位取りになると、その速さあるいは時間の短さには実感が伴わない。われわれの神経線維内の信号伝達は、最高100m/秒 だそうだから、一万分の一(10-4)秒で1cmの計算だ。理屈は無いが、この程度の動きが我々に 知覚できる高速現象ではないだろうか。
STAMPと略称される今回の超高速撮影方法は、“光の波長を媒介し、時間領域のダイナミクスを空間領域に射影することで動画を撮影する”ものだそうだ。これでは抽象的に過ぎてピンと来ないが、“異なる波長の連続パルス照明光を異なるタイミングで当て、(当たった光を)波長に応じて分離し、検出することで動画を再構成する”ようにも書かれている。何となく解るような、、、。
実例として、フェムト秒の時間領域にて結晶中のフォノン(結晶の格子振動の波)の動きの連続写真が紹介されている。このフォノンは光速の約6分の1という高速で伝わるそうで、その動きをこま撮りで見せるというのは、やはり凄いと感じる。
時間の最小単位を2か月前に話題にしたが(時間量子~お墨付き~量子の泡 2014/10/4(土))、その時間量子は大体 10-43秒だった。あまり関連性は無いが、今回話題の微小時間であるフェムト秒といえども、時間量子に較べれば、1028倍(1兆倍の1兆倍の1万倍)という桁違いの長さである。時間量子への道のりには気が遠くなる。
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