巽聖歌・編「日本新童謡選」(1949 アルス 日本児童文庫43)の中に北原白秋/山田耕筰「海の向う」が載っている。“童謡”を称する通り、歌い易いメロディーだが、ピアノ伴奏譜を見るとなかなか複雑そうだ。
ネット検索してみると、CD“山田耕筰の遺産(4)歌曲編 (4)”に収められていた:
~
6. 鐘が鳴ります |
7. ペィチカ |
8. この道 |
9. 舟唄 |
10. 箱根八里は |
11. 海の向う |
12. あゝ若き日よ |
13. 弥撤の鐘 |
14. ロシア人形の歌 |
15. からたちの花 |
16. 海の向う |
17. ロシア人形の歌 |
~
“歌曲”として扱われている。童謡も歌曲の内と言ってしまえばそれまでだが、耕筰作曲の“童謡”はクラシック歌手が歌うに似つかわしい“歌曲”が多いように思う。歌唱に相当の技術水準が求められるとも言える。
白秋のこの詩を宮崎滋氏が合唱曲にしている。当管理人も2度ばかり歌ったことがある。女声3部+男声1部だった。その時は、この歌詞が“童謡”扱いされるとは夢想だにしなかった。
さんごじゅの花が咲いたら 咲いたらといつか思った さんごじゅの花が咲いたよ
あの島へ漕いで行けたら 行けたらといつか思った その島へきょうは来てるよ
あの白帆どこへゆくだろ あの小鳥どこへゆくだろ あの空はどこになるだろ
行きたいなあんな遠くへ あの海の空の向うへ 今度こそ遠く行こうよ
あの島へ漕いで行けたら 行けたらといつか思った その島へきょうは来てるよ
あの白帆どこへゆくだろ あの小鳥どこへゆくだろ あの空はどこになるだろ
行きたいなあんな遠くへ あの海の空の向うへ 今度こそ遠く行こうよ
いま改めて読んでみると、童謡そのものに思われる。つまり、合唱で歌っていた時は音取りに神経を使っていて、歌詞を味わう余裕など無かったことが判る。
音を付ける前に、先ず歌詞を読みこなし、イメージを作りなさいと教えられながら、実際は全く身に着いていない。来年は、いろいろの面で基本に立ち返って謙虚に練習したい。