つい一週間ほど前だと思うが、新聞報道で、建設業界が女性土木技術者の愛称(?)を従来の“どぼじょ”から“けんせつこまち”に変更する意向だと伝えられた。
このように変更して少しはイメージが良くなるのかどうか判らないが、そもそも、この種の愛称は、当事者が勝手に決めて世間に押しつけるものなのかどうか、気になる。自然発生的に広まって定着する性質のものではないかという気がする。
それはさておき、“どぼじょ”はいつ頃から使われていたのだろうか、全く知らなかった。些か土建業界には馴染みがあると自負する当管理人にしてそうなのだから、広く世間に知れ渡っていたとは考えにくい。だからこそ、愛称変更の仕儀と相成ったものとも考えられる。
“どぼじょ”は濁音が三連続するから、そもそも女性向けの愛称には不向きだと初めから解りそうなものだが、荒くれ相手でのし上がって来た土建業界のお偉方には期待できないかも知れない。
その点、“けんせつこまち”は清音続きだから無難ではある。しかし、如何にも取って付けたようなぎこちなさを否定できない。“こまち”というのが、北国某県では大安売りの愛称で、何にでもくっ付けて売り込みに懸命だから、その関連かと誤解される恐れもある。
思い切った発想の転換をして、“ケンセツェーゼ”などというのは如何か。シロガネーゼとか、アザブジューバネーゼとか、、、どこか洒落た響きがあると思うが、建設業界の方々、採用する気にならないだろうか。
もう一つの代案として、“ドボキエンヌ”は如何。濁音が連続するが、全体としては響きは悪くない。パリジェンヌとかタカラジェンヌとか、、、。
因みに、建設業界の広報誌であるAce 9月号は“特別特集 いま、建設業で活躍する女性たち”を組んでいる。《土木技術者女性の会 会長》にして東大教授の桑野玲子氏は、“珍しい存在だった女性土木技術者も、最近では「ドボジョ」という愛称(?)で一般に認知されるようにもなり”と書いている。
してみると、「ドボジョ」→「けんせつこまち」の変更案は唐突に発表されたもののようである。まだ間に合う。“ケンセツェーゼ”か“ドボキエンヌ”かに乗り換える気にはなりませんか。