身近な果実を机上に飾って鑑賞するささやかな楽しみを続けているが、問題は後始末だ。放置すれば黴る、あるいは、腐るものが多い。
それは勿体ないと思われるときは、蜂蜜漬けやジャムにしたりする。冷蔵庫に仕舞い込んで忘れることになる。庫内で黴たり、家人に捨てられたりすることもある。
ふと思い出して昨日取り出して見た蜂蜜漬けは、草色の表面に黒い斑点が目立ち、何やら浮遊物が漂っていたが、腐ってはいないようだった。自分が仕舞い込んだことは確かなのに、何の実だったか、思い出せなかった。
恐る恐る食べてみた。固くて、酸っぱくて、味は青リンゴに似ていた。それでも蜂蜜の甘さが勝って食べることは可能だった。ボソボソとした舌触りはカリンを思わせた。有毒果実だったらどうしよう、と不安ながらも食べ、漬け汁も飲んだ。
後で記憶が蘇り、その果実の正体はボケ(木瓜)であると確信できた。ネット検索すると、ボケの実をそのまま食べるという記事は無く、ジャムにしたり、果実酒にしたりするのが普通の利用法であると知れた。
今度、入手できたら、加熱処理した上で蜂蜜漬けにしてみよう。