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Channel: 愛唱会きらくジャーナル
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築地利三郎~井上頼豊~池本純子 

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北国でコーラス趣味を始めて半年ほど経った頃だろうか、築地利三郎氏の指導する合唱団に所属することになった。団のレベルが高く思われて、ついて行ける自信は無かった。周囲の顰蹙を買いながら調子外れの乱暴な声で厚かましくも歌い続けた。
 
築地氏については全く予備知識が無かったのだが、先ずその声の迫力に圧倒された。通っている間に少しずつ氏の経歴などが耳に入り、バス・バリトンのオペラ歌手で高名な人と判った。
 
ある時、ロシア民謡が話題となり、築地氏がその方面でもかなり実績を有するらしいと判った。偶々、当管理人が井上頼豊著「ロシアの民謡」を持っていると話したところ、氏は、同書の著者署名入り本を持っていると仰るではないか。
 
こちらの不思議そうな表情を見て取ったのだろう、昔話をされた。戦後暫くして、井上頼豊と組んで北海道を巡業したことがあると。ロシア語は井上頼豊から伝授されたものと想像される。巡業の成果の一端などもお聴きした。当時高価だったピアノを買う事が出来たとも。
 
このことを思い出し、「聞き書き 井上頼豊 音楽・時代・ひと」を読み直したところ、巻末の略年表に記載があった。
 
1957(昭和32) 北海道八都市でジョイント・コンサート。バリトン築地利三郎、ピアノ池本純子”
 
翌年には函館・秋田でリサイタルを開いたとの記載もある。築地氏の昔語りに、その時の事も聞いたように何かを思い出すのだが、記憶は靄の中だ。
 
“ピアノ池本純子”を念のため検索したところ、最近の情報がヒットした:
 
“東京文化会館 小ホール 211() 池本純子モーツァルト/ピアノ協奏曲の午後~連続演奏Ⅴ~”
 
同一人物とすれば、かなりのご高齢と思われる。築地氏も今年、北国のホールで歌われたと聞く。
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