介護老人保健施設で昼過ぎからリハーサルを約1時間の後、午後1時半ごろから本番に突入した。演奏側は歌手15名、弦楽器4名、ピアニスト、指揮者(ソロ兼)に対し、聴衆は約40名だから、マーマー釣り合いは取れている方だろう。
男声は3名(T2、Bs1)だが、経緯があって、讃美歌「荒野の果てに」はT1で歌うことになり、全体に埋没しないよう頑張るとすると、“Gloria in excelsis deo”のメリスマ唱の部分で大変苦しい思いをする。
一息で4小節をカバーする区間が2連続するから、素人には些かきつい。見栄っ張りの老テノールは、死ぬ思いで声を出し続けた。技術が無く、体力も衰える一方なのだから、こんな無理な歌い方は、もう止めるべきだろう。不測の事態もあり得ることだし。
今日訪問した施設では、いわゆる外国人スタッフがキビキビと働いていた。お年寄りに付き添って歌のお手伝いまでやっていた。英語版“Jingle Bells”は暗記しているようで、ご自分も楽しんでいた。フィリピン、マレーシヤあたりの御出身か、日本語もマスターできた成功例だ。
訪問コンサートの後は、バスを乗り継いで雑用を片付けに、あちこちを回った。土曜日ということで運転本数を減らしているのか、まるで通勤電車のような混みようだった。
大変なのはベビーカーが偶然に集中した時だ。運転手は無感情な声で“中ほどへお進み下さい”と繰り返すが、乗客の詰め込まれたバスの通路を複数のベビーカーが移動するとなると、上を下への大騒ぎだ。
当然、幼児たちは泣きわめく。若い夫婦が喧嘩口調でお互いに指示し合う。乗客たちもいたたまれなくなり、なんとか場所を譲り合って難局を切り抜けようと協力し合う。
都バスが、繁華街を結ぶ終夜運行を始めると報じられている。例の五千万円知事の号令一下、試行に至ったとか。深夜(終夜)バスの運行にどんな大義があるのだろう。エネルギー消費を抑えようと、夜の照明を消したり、深夜のTV番組を自粛したりしたのは何だったのだろう。
東京を不夜城にして世界中の大都市と競う必要があるのだろうか。そんなことより、市民の日常生活を便利にすることの方が重要な政治課題だと思うが、異端視されそうだな。