昨日の第44回《らすぺふ―――ロシア・ウクライナの愛唱歌を原語で歌う》は、歴史や時事問題も話題にしながら、オリジナル歌集「ウクライナ歌謡の夕べ」(既習曲10曲収録)から5曲を歌った。
その一つ、民謡「桜の苑で」は、確かに前にも教わった記憶がある。それも極く最近だ。ニ短調(1♭)3/4拍子で、メロディーは、ラ|レレレ--ミ|ファファファ--ファ|ミファソ--ソ| と上行形式で始まる。機械的に移動ドの階名読みをすればこの通りだ。
しかし、これが当管理人には歌いづらいのだ。耳で聴いても、脳内に再現しても、ミ|ラララ--シ|ドドド--ド|シドレ--レ| と認識されてしまう。つまり、ト短調(2♭)のメロディーに自動変換されるのだ。楽譜に忠実に階名読みして行くと、音程を外してしまう恐れがある。
この不思議な現象については大分前にも書いたが、依然謎のままだ。慣れの問題として片付けることは可能だが。
実は、上記メロディー(主旋律)はアルトに割り当てられており、加えてソプラノとバリトンの声部が併記されている。
ソプラノは、主旋律にほぼ平行に、ラ|レレレ--ソ|ラララ--ラ|ソラシ♭--シ♭| となる。これは始めからト短調(2♭)を宣言しているも同然だ。ならば、五線左端の調号をト短調(2♭)にしておいてくれれば善いものを、と愚痴を言いたくなる。
ところで、このメロディーの出だしは、十年ほど前に某カルチャー教室で教わった「春が呼んでるよ」(ポーランド民謡)の出だしに酷似している。
ポーランドとウクライナとは隣接しており、歴史上も支配したりされたりしたほど濃密な関係を有しているから、両曲も部分的に同根なのだろう。