暫くぶりに副都心のランチタイムコンサートに行って来た。珍しく空席があり、落ち着いて聴く事が出来た。雑踏、騒音はいつもの通り。転がしていたスーツケースを倒して大音響をたてた無粋なご婦人がいた。
ロビーコンサートだからある程度の騒音は受忍しなければならないが、通り掛かった時には、鑑賞している人たちへの心遣いが欲しい。そのような精神的な余裕は未だ期待できないかな。
第337回 宗教音楽の調べ ~クリスマスの足音~
中江早希(ソプラノ)/氷見健一郎(バス)/直江香世子(ピアノ)
Aプログラム12:05~
私の友は私のもの [二重唱]J.S.バッハ カンタータ「目覚めよと呼ぶ声が聞え」から
雪の降る町を [氷見]内村直也/中田喜直
素敵な春に [中江]峯陽/小林秀雄
ああイエス、私の安らぎよ~来てください、私のイエスよ、元気づけてください [二重唱]
J.S.バッハ カンタータ「わがうちに憂いは満ちぬ」から
厳しき時代よ、もう二度と来ないで [二重唱]S.フォスター
Bプログラム12:35~
慈悲深き イエスよ [中江] G.フォーレ「レクイエム」から
優しき妻よ、おまえの傍では [二重唱] F.J.ハイドン「天地創造」から
クリスマスメドレー [二重唱] 直江香世子 編曲
馴染みの無い宗教曲ばかりだったが、中江、氷見ご両人の美声を心地よく聴き、十分に満足した。中江は、言わば完成されたソプラノで、今日のプログラムなどでは些か軽すぎたような印象だ。氷見は、実によい声を持っており、高域でやや余裕の無さを感じさせたが、これから伸びるのではないか。
フォスターの「厳しき時代よ、もう二度と来ないで」は、勿論初めて聴いたのだが、気に入った。楽譜を入手して早々に歌ってみたい。説明では“戦争など、もう起こさないで”という願望が込められているように聞こえたが、検索したところでは、必ずしも反戦歌ではないようだ。むしろ、フォスター自身が経験したような生活苦から逃れたいとの気持ちを歌ったものではないのかなあ。
クリスマスメドレーは、ピアノを弾いた直江の編曲だそうだが、高等過ぎて難解だった。プロでなければ歌えないと思われた。全部英語で、うち1曲は彼らのリードで聴衆も手拍子の参加となったものの、曲名も判らずじまい。