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Channel: 愛唱会きらくジャーナル
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信時版「沙羅の木」初演②~鷗外三十三回忌~詩壁落成式

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先だって、森鷗外の詩「沙羅の木」に信時潔が曲を付けた楽譜の手書き原本が森鷗外記念館に2通あることについて、“便利な複写機の無かった時代、信時は念のため楽譜を2通作成したのだろうか”と自問した(信時潔版「沙羅の木」楽譜~コピー交付申請~原本2通の謎)。
 
これは、記念館の所蔵品は鷗外の遺品である、信時が鷗外に楽譜を贈った、との思い込みによるのだが、どちらも事実ではないことが判った。「信時潔研究ガイド」サイト(http://home.netyou.jp/ff/nobu/)の主要作品リスト・独唱曲の部に、“沙羅の木(森鴎外作詩) 独唱,(二部合唱,)pf 1954”と記されているからだ。もっと早く気付くべきだった。
 
鷗外は1922年に亡くなっており、その32年後の作曲だ。この年数で直ぐに思いつくのは三十三回忌だ。鷗外の三十三回忌法要に演奏する楽曲として、遺族が信時に作曲を委嘱したのではないかと想像するのは容易である。
 
実は、その“真相”を暗示していると思われる情報をつい最近当ブログにアップしていたのだ(沙羅の木~森鷗外記念館~詩碑六十周年? 2014/3/9())。すなわち、“(森於菟は)昭和二十九年七月九日は父(鷗外)の三十三回忌に当るので、私は、弟妹とはかり父の供養のためにするという名義で、「沙羅の木」の詩壁を建てることにした”のだ。
 
これに続く記述から、信時作曲「沙羅の木」は、鷗外三十三回忌に合わせて作成された同詩壁の落成式において演奏されたものと推測される。本当の初演はこの時だったのだ。落成式は盛大だったということで、文字通り“鳴物入り”だったのだろう。誰が歌ったのだろう。新聞記事検索で判るかもしれない。
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