昨夕、久し振りに日本橋の方のロビーコンサートを聴いてきた。お目当ては日本一の称号を捧げる価値のあるソプラノ、関定子だ。当ブログの記録によれば、4年前に同じ会場で彼女の類い稀な歌声を聴いている(アトリウムコンサート~関定子~驚異のソプラノ 2010/9/6(月))。
アトリウムコンサート 7月7日(月)18:30~
~円熟の極み!!~『関定子の“歌”』
ソプラノ:関定子/ピアノ:藤木明美
《八つの子供の歌》作曲:中田喜直
「くるみのお家」「ねえ、蜂さん」「雨ふり」「うれしい象さん」「匂いのある家」
「むこうのきしへ」「かあさん、はやくこい」「おやすみなさい」
《民謡集》採譜・編曲:藤井清水
「連枷叩きすりゃ」(岡山)
「やんせやんせと」(岡山)
「郡上の八幡」(岐阜)
「ちゅうちゅうけ」(熊本)
「さんさ押窓は」(宮崎)
《懐メロコーナー》
「夜来香」
「別れのブルース」
「恋人よ」
「津軽のふるさと」
《ピアノ・ソロ》
「リベルタンゴ」
《オペラアリア集》
“アンドレア・シェニエ”から「La mamma morta」(邦題例:亡くなった母を)
アンコール
「浜辺の歌」
会場全員で
「たなばたさま」
前回の感想がそのまま今回も使える。“年齢の影”も、4年の歳月を置けば無視できない。「恋人よ」あるいは「津軽のふるさと」辺りでお疲れが感じられたのは、当方の聴覚の衰えだけでは無さそうだ。歌詞の乱れがあり、驚いた。「夜来香」で超絶技巧を弄したことが響いたのか。
しかし、些かも動揺する様子を見せず、堂々と歌い切るのは、やはり並の歌手ではない。前回65歳と自白しているから、今年は69歳になることを勘定に入れると、“驚異のソプラノ”であることも間違いない。的確な演技を伴う表現力も健在だ。
アンコール曲「浜辺の歌」の後、「たなばたさま」を、彼女自身は歌詞を知らないからと言い、メモを見ながら皆と一緒に歌った。この聴衆に歌わせるサービスは恒例なのだろう、前回は「赤とんぼ」だった。
彼女は毎年のようにこのコンサートシリーズに登場しているらしい。これから欠かさず聴くようにしよう。それにしても、相変わらず終始響き渡る厨房騒音にはがっかりした。この4年間に全く改善されていないのだ。音楽ホールでの公演ではないと開き直られれば返す言葉は無いが、もう少し何とかならないものか。