ロシア・ウクライナの歌の教室「らすぺふ」に2か月ぶりに顔を出し、ロシア語と難しい楽譜で頭の体操をしてきた。ロシア語は何とか処理できるが、十六分音符の連続と臨時記号頻出にはお手上げだ。
きょうは、リムスキー・コルサコフに焦点を絞り、伝統歌「川の向こうで」と「インドの歌」が教材だった。「インドの歌」は聞き覚えのあるメロディだが、歌うには少し練習をする必要がある。オペラ《サトコ》の中のアリアだそうだ。
《サトコ》の粗筋を知ったのは、一つの収穫と言える。日本では上演されていないそうだ。“サトコ”と聞けば、日本女性の名だとしか考えられなかったが、オペラでは主人公たる男性の名だ。原語ではСадко(Sadko)で発音は“サートゥカ”のようだ。
教室終了後に、主宰の松本さんに一つ質問をして、貴重なご教示を頂いた。このところ偶然にもあちこちで歌っている「山のロザリア」について、ある楽譜に“ボデスバーニャに属するロシア民族舞踊の器楽曲~”と説明されている。この“ボデスバーニャ”とは何か。ローマ字では bodesubaanya となる。そもそも何語か。
インタネット検索したところ、全く同文の解説を載せたサイトがヒットした。どちらかが他方をコピペしたと思われる。ここで壁に突き当たり、展望が開けなかった。
その“ボデスバーニャ”とは何かを松本さんにお尋ねしたところ、“パディスパーニャ”だろうとのこと。ロシア語でПод Испания となるだろうか(ロシア語文法に適うか否か、不明)。“スペイン風に”の意味のようだ。つまり、「山のロザリア」の原曲は、スペイン風の舞踊曲だったということか。とにかく、“ボデスバーニャ”の謎が解けた。本日の一番の収穫だ。
教室でお勉強中に豪雨があったらしいが、解散の頃には雨も上がっていた。バスと地下鉄を乗り継ぎ、別の路線の駅のホームに辿り着くと、電車が止まっており、“お急ぎの方は振り替え輸送をご利用ください”と放送している。
乗換策を窓口で相談していたら、止まっていた電車が急に発車した。次の電車は遥か遠くの駅に止まっているとのこと。諦めて元の路線に戻り、一駅乗ってバスを利用することにした。
地上に出ると、土砂降りであった。約十五分待ってバスに乗った。降りたバス停から少し歩き、別のバスに乗り換えるべく、時間表を見ると、十分ほど待ち時間があった。
気が短くなって、歩くことにした。結局1時間ほど余計に時間を食ったが、考えてみると、おとなしく地下鉄の動き出すのを待っていた方が早く帰宅できたのではないかと思える。骨折り損の草臥れ儲けだった。
短気は損気。心に余裕が欠けていた。それにしても、接続路線の運行情報を提供しない地下鉄車内放送の不親切に腹が立つのを抑えられない。