雨の間隙を縫うように、ランチタイムコンサートの鑑賞に出掛けた。簡単な用事を済ませて、バス停に急ぐ僅かの間に激しく降り出した。梅雨どきだから諦めは早いコンサートのタイトルも梅雨がらみだ:
第355回 愛の力で梅雨を吹き飛ばせっ!
枡本侑子(ソプラノ)/市川浩平(テノール)/岩崎洵奈(ピアノ)
Aプログラム12:05~
1.乾杯の歌 ヴェルディ 《椿姫》 [二重唱]
2.マレキアーレ F.P.トスティ [市川]
3.私のおとうさん G.プッチーニ《ジャンニ・スキッキ》 [枡本]
4.ノクターン第2番 作品9-2 F.ショパン [岩崎]
5.野菜サラダ物語 寺島尚彦 [二重唱]
Bプログラム12:35~
1.ヴォラーレ D.モドゥーニョ/F.ミグリアッチ [二重唱]
2.めぐり逢い 荒木一郎/武満徹 [枡本]
3.くちなし 高野喜久雄/高田三郎 [市川]
4.愛の悲しみ F.クライスラー作曲/S.ラフマニノフ編曲 [岩崎]
5.タイムトゥセイグッバイ F.サルトーリ [二重唱]
枡本は無難だったが、市川は、声が薄いと言うか、余裕が無さそうに感じられた。英語の発音も少し気になった。本調子ではなかったのかもしれない。彼は当ブログに2度目の登場だ。前回は田崎美香と同じコンサートへの出演だった(旧東京音楽学校奏楽堂~若い歌声~古いガラス 2009/8/20(木))。
どうでもよいことだが、お二人は夫婦だそうだ。タイトルや曲の紹介にその旨を最大限活用していた。未だ新婚の幸せいっぱいの雰囲気を振り撒こうとの親切心だろう。無邪気になれるのは良いことだ。
高野喜久雄/高田三郎「くちなし」は、コンサートでよく歌われる曲だ。その歌詞は全く知らなかったが、今日の Program Note には次のような説明が:
“亡き父が植えたくちなし。口無しの父が時折語る言葉、教えに父の愛の強さを感じます。”
作詞者が語呂合わせを楽しんだのかと思い、歌詞を検索した:
“荒れていた庭 片隅に 亡き父が植えたくちなし
年ごとに かおり高く 花はふえ 今年は19の実がついた
年ごとに かおり高く 花はふえ 今年は19の実がついた
くちなしの木に くちなしの花が咲き 実がついた
ただ それだけのことなのに ふるえる ふるえるわたしのこころ
ただ それだけのことなのに ふるえる ふるえるわたしのこころ
「ごらん くちなしの実を ごらん 熟しても 口をひらかぬ くちなしの実だ」
とある日の 父のことば 父の祈り
くちなしの実よ くちなしの実のように 待ちこがれつつ ひたすらに こがれ生きよ
と父はいう 今も どこかで父はいう”
と父はいう 今も どこかで父はいう”
口無し(無口)の父、を思わせる内容では無さそうだ。語呂合わせはProgram Note 作成者の遊び心だったのだな。
雨に洗われて殺虫剤なども落ちたと期待されるニワウメの熟果を少し摘んで帰った。収穫は快感だが、後始末が面倒だ。いきなり焼酎に漬け込んで果実酒として片付けたい誘惑に駆られる。下戸なのに。