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Channel: 愛唱会きらくジャーナル
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リスト~ヘクサメロン~サイエンス

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お堅い大学理学部の広報誌に、曰く有りげな言葉を見付けた。
 
《理学の「ヘクサメロン」》と題する短文で、著者は、左近樹氏(天文学専攻 助教)で、勝手に要約すると次の通りだ:
 
“リストの作品にヘクサメロンHexaméronという楽曲がある。とある侯爵夫人の提案で,リストを中心に,ショパン,ツェルニー,タールベルクなど,師弟友人関係にある当時の腕利きの音楽家に声がかかり,ベッリーニのオペラの主題を題材に,変奏曲を持ち寄り,リストが一つにまとめあげた作品であると知られている~
 
それぞれの音楽家の得意とする技法や作風が感じられる。特に,総括も担ったリストの構成力には感服する~
 
共同研究を行うに際しても,まずは,各々の研究者が個別に行った地道な努力と実績が大切である事は言うまでもない。
 
~各々の研究手法に寄せられる信頼と互いへの敬意と理解が,共同研究における各々の役割を明確にし,効果的な協調関係を実現する上で不可欠である。~
 
互いに相手を信頼し認め合うためには,共同研究に着手する以前からの交流が重要である。その過程におけるコミュニケーションは,将来の共同研究の礎となるだけでなく,自己の思い込みや誤りに気付き是正する機会ともなり,結果として,現在の各々の研究活動を好転させる。~
 
大学院生には,研究活動の中にアイデンティティを見いだせるまでの複雑さと混沌に耐え,やがてより多くの信頼し尊敬し合える仲間を見つけ活躍する将来を期待する。~”(東京大学理学部ニュース 20145月号)
 
論旨は、共同研究が今後ますます重要性を増し、これに参画する科学者個々人の研究基盤の確立と多様な分野間のコミュニケーションの充実が求められるというようなことだと思われる。
 
しかし、当管理人が注目したのは、その導入として引き合いに出された「ヘクサメロン」だ。これについては全く無知なのだが、容易に「デカメロン」を連想する。
 
これについても内容は知らないのだが、中高校生時代に言葉だけは覚えさせられている。“デカ”が十を意味し、“ヘクサ”が六を意味することは、そのころの勉強の遺産のお蔭で直ぐに解る。
 
リストの「ヘクサメロン」が古典文学作品の「デカメロン」にあやかった命名であることは想像が付く。左近先生によれば、リストを含む6人の腕利きピアニストそれぞれの特長が生かされ、聴き応えのある名曲らしい。
 
其処までの鑑賞力には恵まれていない当方としては、あまり聴いてみようとは思わないが、クラシック音楽も、元々は遊び心に発するものなのだと教えてもらったような安堵感がある。かしこまって、神経をピリピリさせながら拝聴するだけのものではないと再認識した次第。
 
検索してみると、リスト以外にも複数の音楽家が「ヘクサメロン」を作っているらしい。誰が創始者なのだろう。「エプタ(七)メロン」というのもあるらしい。化け学用語の知識を応用すれば、「テトラメロン」、「ペンタメロン」、「オクタメロン」、「ノナメロン」など、何でもあり得るのだ。
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