いつぞや訪問コンサートで“You are my sunshine”をアンコールにリクエストされ、突然のこととて、一同凍り付きかけたことがあった。耳に馴染んだ歌ではあるが、当方など一度も歌った経験が無かった。
ところが、訪問団の大多数を占める女性たちが囁き合ったあと、やりましょうと決まった。斉唱であるが、何と滑らかに歌い終えたのには驚き、かつ、感心した。日頃、外国語歌唱には拒絶反応を見せる彼女たちが自発的に英語で歌ったのが不思議だった。
この事実を基に考えれば、“You are my sunshine”は彼女たちには歌い着けた歌であることが明らかである。要するに、当方が歌っていなかっただけで、世間ではポピュラーな歌だということだろう。「井の中の蛙」ぶりを暴露したようなものだ。
別のグループで、その“You are my sunshine”を練習しようとの声が上がって、この歌が女性(年配の)に人気のあることを改めて思い知った。当方などには、こんな単純かつ単調な歌のどこが良いのだろうと不思議なのだ。せめて二部合唱ぐらいで歌いたいものだ。
しかし、現実には“数は力なり”で、周囲の趨勢を受けて少し予習することにした。
歌詞は直ぐに入手できるが、合唱譜は意外に希少なようだ。無伴奏の簡単な三部合唱譜があった。
歌の背景など知りたくてネット検索したところ、ズバリ「ユー・アー・マイ・サンシャイン物語」と題する本(三井徹/著筑摩書房1989.3)が図書館にあった。
読み始めたところ、記述その他に偶然ながら当方の来し方を想起させることがらが散見され、大いに興味が湧いた。
おまけに、この歌の“持ち主”たるジミー・デイヴィス(Jimmie Davis =James Houston Davis)の生没データが数字遊び心を喜ばせる:
September 11, 1899– November5, 2000