素数遊びも闇雲に素数判定に勤しむだけでは全く収穫が無い。明確な視点を定めて体系的にデータを取らなければ有益な結果が残らない。
そこで、遊びであるから面白味を判断基準とした新企画を始動させることとした。
先ずは、特定パタンの数字列における素数の出現状況という単純なテーマを設定した。例えば、算用数字の昇順列≪123456789≫や降順列≪987654321≫を基準とした自然数群に含まれる素数を探索しようというものである。
具体例として、上記昇順列≪123456789≫を取り上げる。この9桁の自然数のままでは3の倍数であるから、数字をひとつ付加して、3の倍数でない10桁の自然数を作る。
最初は順当に1を先頭に付加して≪1123456789≫を取る。次に1の位置を順次右側へ移して、≪1213456789≫、≪1231456789≫、、、を取り、それぞれの素数判定を行う。同じことを、付加数字2,4,5,7,8について行う。
この一連の操作で扱う10桁の自然数群の母数は約90である。母数と言うのは、付加数字を(作成自然数が3の倍数とならない)1,2,4,5,7,8の6個に限定せず、1~9の9個とした自然数の総数である。
この探索によって判明した素数は次の8個であった(太数字が付加数字):
1234156789,1234561789,1234567891, 1234567289,1423456789,1523456789,1234856789,1234568789,
これで何が判るか、興味の湧くところであるが、先ずは単純に素数の個数(換言すれば頻度)に注目しよう。これら10桁の自然数の数域における素数の割合は大体5%程度であることが素数定理から知られ、それによる素数の予想個数は4~5個である。
上記の実個数9は予想の2倍である(考え違いが無ければ)。これは無視できない乖離である。