ブラジルで鉱山ダム決壊による災害が発生し、ここ数日大ニュースとなっている:
《ブラジル 鉱山ダム決壊で60人が死亡=プール5千杯分の有毒な泥水が鉄砲水に=行方不明者もまだ292人=「取りうる全ての対策を」とボウソナロ大統領》
≪ブラジル南東部ミナス州のブルマジーニョで25日、鉱山ダムが決壊した。この事故により、大量の鉱滓(鉱山採掘の過程で発生する有毒な汚泥)が周辺地域へ急激に流出し、市街地やバスなども丸ごと飲み込んで、多数の死者、行方不明者を出したと、26~28日付ブラジル各紙が報じている。
28日昼までに発見された遺体は60人分で、19人の身元が判明している。192人が救出され、382人の無事も確認されたが、行方不明者はまだ292人おり~≫
1/29(火) 20:58配信(ニッケイ新聞)
鉱山ダムと言えば概ね精錬過程から出る有害な汚染水や汚泥を外部に排出しないよう貯留するダムだ。生産に直接的に貢献する発電、上水、灌漑などのダムと違い、コスト節減指向が強く、安全面が疎かになり易いと懸念される。
我が国においては、尾去沢鉱山中沢鉱滓ダムの決壊事故が今回ブラジルの事故の類例である。孫引きで恐縮だが概要次の通り:
“昭和11年11月20日未明 鹿角市尾去沢字中沢(現在地名)
尾去沢鉱滓ダムが~決壊しました。
沢沿いの住宅(中沢・笹小屋・瓜畑・新堀・下モ平・蟹沢)を飲み
込み米代川へ・・・・翌月12月22日未明 復興工事中に再び決壊し
ました。
死 者 374人
負傷者 174人
罹災世帯 293世帯
被害家屋 294戸
秋田県の鉱山事故最悪の事件でした。
翌昭和12年11月20日 変災一周忌の法要が営まれました。
大盛山 円通寺の境内に変災犠牲者の霊を追悼する記念に「観音堂」
建立され、幼若犠牲者の霊を慰めるため「地蔵堂」が建立されました。
(三菱鉱業社史より)”