某コーラス教室にゲスト講師として、小鼓奏者の福原千鶴氏が招かれた。昨、一昨年度にもお見えになって、邦楽の実演奏を披露された(研究授業~成果お披露目~邦楽家客演 2017/9/25(月))。今回は、演奏もあったが、小鼓に関する包括的講義の形であった。
小鼓の部品構成には驚いた。円環に馬皮を張った発音体2枚を麻糸を撚り合せた紐で繋ぎ、間に両端ラッパ型、つまり砂時計型の筒を挟んで引き締めて使うのだ。この簡単な構造にも拘らず、繋ぎの緊張度を加減して音階を奏でることが出来る。
馬皮円環2枚を支える砂時計型の筒の素材は桜材だそうだ。新しく小鼓が作られることは稀で、古器が人から人へ受け継がれるケースが多いという。年代を経た楽器が良い音を出すらしい。桜の樹種が変わってきたことも影響しているらしい。
馬皮の方は消耗品で、修理しつつ長く使うものの、数十年の間には取り換えられるそうだ。聞き違いでなければ、薄くなったり、破れたりした所に、漆を塗ったり、金継ぎを施したりするそうだ。発音材である馬皮にそのような修理法が通用するとは驚きだ。
素材として馬(皮)と桜(材)の組合せが用いられると聞いて、馬肉(さくら)を思い出した。北国に勤務していた頃、野次馬根性で刺身用馬肉の買い付けに同行したことがある。珍しいのと、割安感があったのとで、キログラム単位で買って帰った。
帰宅して直ぐに冷凍保存としたものの、食べる勇気が無く、希望者に譲った。皆さん刺身として美味しく頂いたそうだ。お腹をこわした話も聞かなかった。