居間でのんびり茶飲み話をしていて、誰かが「まだ11時前だ」と呟いたところで日食のあることを思い出した。ちょうど食分が最大のタイミングであるような気がして、早速観察用のグラスを捜した。めったに使わないものであるが、珍しく紛失もせず、簡単に見付かった。
空を見上げると雲が掛かっていたが、太陽は直視するには眩しく、観察用グラスの出番であると思われた。見えることは見えたが、欠け具合は判然としなかった。第一印象では左上が一部欠けているようだったが、必死に見ると右上のようでもあり、結局判らなくなった。
家族も興味を示してそれぞれ観察したが、右上説、左上説に分かれた。ネットで関連サイトを閲覧したところ、左上が欠けていたものの、既に食も終わりかけであると分かり、実際には殆ど見えていなかったのだ。
見たいものが見える心理現象の一例だろうか。
ところで、この日食観察用グラスは、約7年前、2012年5月21日の金環食を見たくて買ったものだ(見納めの金環日食~犬の遠吠え~気温の低下2012/5/21(月))。そのパッケージには、日本で見られる日食のほか、“金星の太陽面通過”の予報まで記載されている。約百年後、2117年12月11日に“金星の太陽面通過”があるそうだ。
北海道で2030年6月1日に金環食が見られるそうで、その頃までは小生も生きている可能性はある。観察用グラスは身辺整理の対象外、大切に保管しよう。 買価590円(税込)だった。