Quantcast
Channel: 愛唱会きらくジャーナル
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1579

童謡「七つの子」 ~ 七羽か七歳か ~ 子ガラスか人の子か

$
0
0
このところ、なぜか、童謡「七つの子」を歌う機会が多かった。
 
   七つの子       野口雨情/本居長世 1921(大正10)
 (からす) なぜ ( な )くの   ( からす ) ( やま )  可愛 ( かわい ) ( なな )つの   ()があるからよ


 可愛 ( かわい ) 可愛 ( かわい )   ( からす ) ( な )くの   可愛 ( かわい ) 可愛 ( かわい )   ()くんだよ


  ( やま )古巣 ( ふるす )   ( い )って ( み )御覧 ( ごらん )    ( まる ) ( め )をした  いい ( こ )だよ

 
“七つの子”が“七羽の子ガラス”か、“七歳の子ガラス”かの議論は、“七歳”が正しいと決着がついているらしく、当欄でも≪童謡「七つの子」(作詞:野口雨情、作曲:本居長世)の七つは、七羽ではなく、七歳が作詞者の意図したところであると、藍川由美さんが文献に基づいて論証している≫と記したことがある(七草セット~七つ星~七つの子 2011/1/7())。
 
ただし、“七歳”の数字に拘る必要は無いとの意見も、作詞者自身を含めて、大勢を占めているようだ(ウェッブ『池田小百合なっとく童謡・唱歌』による)。
 
残る論点は、“子ガラス”か“人の子”かである。
 
歌詞を素直に読めば、“子ガラス”としか考えられないが、“七歳のカラス”は成鳥であって“子ガラス”とは言えないとの鳥類学的見解に鑑みて“七歳の人の子”説の生まれる余地があるらしい。
 
しかし、カラスの古巣に人の子がいるというのは余りに非現実的だから、よほど持って回った解説をしなければならない。
 
作詞者は面倒な理屈を踏まえて「七つの子」としたのではなく、口調の良さを多としたのだろうと想像される。“七羽”か“七歳”か、“カラス”か“人”かなどと詮索するのは脳トレの一種と心得よう。
 
そこで、当方が脳トレに励んだ結果、この童謡の大意は、≪カラスの古巣には、人で言えば七歳のかわいい子ガラスがいるのだよ≫との意味に違いないとの結論に達した。
 
先人が同趣旨の説を唱えているかも知れない。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1579

Trending Articles