次のような情報に接した。一般メディアでは報じられていないようだ:
マウナケア山頂域の大規模な停電による共同利用観測への影響について (第一報)
2018年9月13日 (ハワイ現地時間)
ハワイ時間2018年9月13日未明、マウナケア山頂域全体で大規模な停電が発生~その結果、すばる望遠鏡山頂施設の電源は4時間近くに渡って停止しました。
この停電に伴い、すばる望遠鏡本体に電源を供給する無停電電源 (UPS) が正常に機能せず、望遠鏡は停止しました。また、停電解消後に UPS の再起動を試みましたが、起動しませんでした。~~~
現在、UPS が起動しなかった原因、すばる望遠鏡本体および観測装置等への影響について調査を進めており、調査結果に基づき、安全かつ早急に共同利用観測を再開すべく、適切に対応いたします。復旧の見込みは判明次第お知らせします。
国立天文台ハワイ観測所長吉田道利
重要な機械設備において、常時使用の電源が突然途絶えたときに瞬時に代替電源として起動し、当該設備の連続稼働を保障するよう設置されるのが無停電電源 (UPS)であると理解する。
その無停電電源 (UPS)が“正常に”機能しなかったいうのは、具体的には如何なる状況だったのか、第一報では不明である。単に“起動しなかった”のか、それとも、起動したが満足に機能しなかったのか。
“停電解消後に UPS の再起動を試みましたが、起動しませんでした”という記述から類推すれば、“停電時に起動する筈のUPSが起動しなかった”のが実態なのだろうとは思う。
“UPS が起動しなかった原因”について調査を進めているとのことだが、要するに、停電前から故障していたということなのだろう。毎日の仕業点検は励行されていたのか。まさか、停電の衝撃で無停電電源 (UPS)が故障したなどという笑い話に落ち着くのではあるまい。
当面、“10月1日までの共同利用観測を中止することにしました”とのことだが、素人には解りにくい決定だ。停電が解消したのだから、貴重な観測施設は大いに利用するべきだろう。無停電電源 (UPS)が無ければ動かせない施設でもないだろう。故障している無停電電源 (UPS)に安心して観測をしていたのだから。
と、疑問を連ねてみたが、大規模かつ重要な天文観測施設のことだ、素人の考え及ばない事情もあるのだろう。第2報が待たれる。
追記:第1報の”この停電に伴い~~~無停電電源 (UPS) が正常に機能せず”のくだりは”停電したので~~~機能せず”のように読める。読み手の常識的判断で救われる作文だ(2018.09.24)。