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Channel: 愛唱会きらくジャーナル
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高齢者≪歌う会≫ ~ プロ根性 ~ 緊張感

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冷たい秋雨の中、いそいそと某所の月例≪歌う会≫に行って来た。ソプラノ・太鼓(兼: 笛)・ピアノのトリオで毎回特徴のある演奏を聴かせてくれるので、特段の事情の無い限り参加することにしている。
 
全員で童謡、唱歌、歌謡曲を斉唱する合間に、縦笛と鉄琴の協演で「見上げてごらん夜の星を」を奏するという。固唾を飲んで待つと、笛がメロディーを吹き始めたが、鉄琴がなかなか入って来ない。やっと小さい音で参加したかと思ったら、直ぐに消えた。結局、鉄琴は殆ど鳴らなかった。
 
一体どうなっているのか不審に思ったのは当方だけではなかった。講師が何か早口で二人の奏者に問いかけたのに対する答がよく聞き取れなかったが、鉄琴担当のピアニストが、≪笛の音が上がり過ぎ≫と告げていたようだった。
 
鉄琴の音は固定されているだろうから、笛の音に合わせられなかったということのようだ。後で録音を聴いてみると、確かに笛が上ずっているのが解った。演奏を聴いている時には気付かなかった。
 
笛の担当者もただ不正確に吹いて上ずったわけでもなかった。事前の音合わせで音が下がると注意されていたので、意識的に高めに吹くようにしていたというのだ。
 
ご両人ともプロなのだなあと再認識した。今日は偶々事前の調整が十分ではなかったようだが、お蔭様で、素人衆相手の演奏でも彼女らにはプロ意識の働いていることが判った。
 
講師は「十五夜お月さん」を独唱した。≪大人向けの編曲≫とかで、前奏からして現代音楽風で、歌い出しの音を予想出来なかった。最高音は二点ラだったと思う。途中にヴォカリーズもあり、如何にも難曲らしく、彼女も譜面台に楽譜を置いての真剣な歌い振りだった。
 
普段の微温湯的な≪歌う会≫とは一線を画する、緊張感のある記念すべき会であった。冷雨に濡れても参加する価値は十分にあった。

参考:中川貴恵 瓜田修子 植松真理

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