昨4日、台風21号の猛威で関空が大きな被害に遭ったとのことで、事前の気象情報でも予想出来なかったようだ。あるいは、台風の勢力が想定を上回ったと言うべきか。
連絡橋がタンカーの衝突によって損傷した件は、ある意味では想定内と考えられる。海上橋である限り、船舶の衝突は十分にあり得ることだから。
滑走路が水没し、地下室も浸水した件については、これも海上空港には当然想定されることだ。盛土や堤防の高さは計画(設計)の条件で決まる。想定を上回る気象条件の下では水没も致し方ない。今回は如何なる状況であったのか、報道では不明である。
ひとつ思い出すのは、関空の建設計画当時、埋立方式か浮体工法かが話題になっていたことだ。当方などは、新しもの好き故、浮体工法を楽しみにしていた。最終的には、大規模構築物を実績の無い工法に委ねる冒険はしなかった。尤もなことだ。
もし、浮体空港であったなら、今回の水没、浸水被害は免れたであろうか。海底に固着されていれば潮位、水位の影響はモロに及ぶ。
浮体であれば水面との相対高度は変わらないから、潮位、水位の上昇から受ける脅威は比較的に小さい。波浪や海面のうねりは避けられない。
気象庁の提供する潮位観測情報を検索してみた:
海南[国土地理院]の潮位の実況(9月4日 - 6日)
専門用語を厳密に解してはいないが、台風通過時の潮位は平時予報値より約1メートル高かったようだ。
この程度の高潮位では、浸水の事態に大差は生じないのかどうか、気になるところだ。つまり、被害の主たる原因は高潮か、波浪、越波か、だ。
蛇足:昨日は≪関西国際空港開港記念日≫だった: