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Channel: 愛唱会きらくジャーナル
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童謡「シャボン玉」③ ~ 風々吹くな ~ 風は必要

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先月来、童謡「シャボン玉」を素材に異調並行唱の不思議を取り上げた。この童謡のメロディーについては、5年前に既存曲活用の例としても書いたことがある((両津甚句~童謡「シャボン玉」~讃美歌「主われを愛す」2013/6/18())“結局、讃美歌と両津甚句を上手に取り込んだ曲であると見做せなくない”)。
 
実は、もっと単純な疑問を歌詞について抱いている。
 
 
        シャボン玉  (1920 or 1922)       野口雨情 
 
   シャボン(だま) ( と )んだ 屋根 ( やね )まで ( と )んだ        
      屋根 (やね)まで ()んで こはれて ()えた


   シャボン ( だま )えた ( き )えた  ( と )ばずに ( き )えた    

        ()まれてすぐに こはれて ()えた


   風々 ( かぜかぜ ) ( ふ )くな シャボン ( だま ) ( と )ばそ

 
最終行“風々(かぜかぜ) ( ふ )くな シャボン ( だま ) ( と )ばそ”に違和感があるのだ。
 
この文句の意図するところは、“風が吹くとシャボン玉が破れて飛ばせない(だから風よ吹かないでおくれ)”だろう。つまり、風はシャボン玉遊びを妨げるものだとの認識がある。
 
事実はどうだろうか。単純に言って、風が無ければシャボン玉は直ぐに落下する筈だ。玉の表面を形成する液の比重は明らかに大気より大きい。つまり、シャボン玉は空気より重い。重力の外に作用する力が無ければ、シャボン玉は地表に向けて落ちるだけである。
 
シャボン玉がふわふわ漂流したり、上昇(時には下降)したりするのは大気の動きに乗っているからだ。つまり、風が無ければ屋根まで飛ぶことも無い。ほどほどの風はシャボン玉遊びには必要なのだ。
 
物理と矛盾しない解釈を施すとすれば、“シャボン玉が優雅に飛ぶさまを楽しむ間もなく、直ぐに建物などに衝突して破裂するような強風は吹いてくれるな”ということだろうか。

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