昨日話題にした驚くべき「われは海の子」二部合唱譜に言及する資料があった:
鳴門教育大学研究紀要 第23巻2008
歌唱教材「われは海の子」の特性と可能性教材となる楽曲の分析と解釈に基づいて―長島真人
≪~国民学校時代に当たる昭和18年に出版された「初等科音楽四教師用」では,二部合唱に編曲され,伴奏は軍歌調の力強い音楽に変えられている~≫
“教師用”という虎の巻には、教材の懇切丁寧な解説や指導方法などが記載されていると思われる。唱歌は、メロディーだけの生徒用と違って、伴奏譜付きのようである。
上に引用した批評の通りとすれば、軍歌調の勇ましい歌に聞こえなければならないわけであり、保守・復古主義の極まった戦争中の編集にも拘らず“斬新”な編曲だと感じた当方の鑑賞力のお粗末さを恥じ入るばかりである。