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Channel: 愛唱会きらくジャーナル
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当時のますらお ~ 往時のますらお ~ 近時のますらお

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某施設の“歌う会”で「箱根八里」の12番を通して歌った時のこと。見なくても歌える筈の歌詞ポスターを見ていて、最終行でつまづいた。“かくこそあるなれ 当時のますらお”と書かれていたからだ。
 
当方も近時は往時ほどの記憶の冴えは無いことを自覚しているので、直ぐには正統の歌詞を口に出来ず、暫く落ち着かなかった。
 
しかし、“当時の”は、その口語的響きからして、あり得ないと思った。正解は“往時の”だと一旦は確信した。が、ややあって、歌詞1番と2番との旧新対応関係に気付き、一応“当時の”で正しいと結論した。
 
だが、依然としてすっきりしない。帰宅後、権威ある歌集を参照し、“近時の”とあるのを見て、愕然とした。どうしてこれを思い出せなかったのかと。永年“近時の ますらお”と歌って来たのに。
 
結局、≪当時の往時の当時の近時の≫と回り道をしてやっと正解に辿り着いた次第。老衰が想像以上に進行している。
 
今回の回り道の副産物として、歌詞最終行“かくこそあるなれ 当時のますらお”がかなり乱れて歌われているらしいことが判った。
 
そもそも、正統的には“かくこそありけれ 近時のますらお”の筈であるが、“近時”が“当時”や“往時”に変わったり、“ありけれ”が“あるなれ”に変わったりしたヴァージョンが通用しているらしい。
 
「箱根八里」と双子のように世に出た「荒城の月」の歌詞には乱れはないのと比べて、大した違いだ。歌詞が長大で、漢語表現満載ということが影響しているのかもしれない。歌曲としての格調の違いから、歌われる機会が比較的に少ないこともあるだろうか。

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