駅二つの近くにある音楽ホールで,若手実力者出演との触れ込みで、ヴァイオリン・リサイタルがありった。雑用の後、大急ぎで駆け付けた。ほぼ満席のところ、漸く見つけた席に割り込んだ時にはステージで調弦が始まっていた。
06/28(木) 12:10 ヴァイオリン 吉田南
ピアノ 諸田由里子
譜捲り ?(吉田の桐朋先輩)
クライスラー ベートーヴェンの主題によるロンディーノ
ウィーン奇想曲
シベリウス ヴァイオリンとピアノのための六つの小品op.79 第1曲 想い出
マスネ タイスの瞑想曲
ヴィエニャフスキ スケルツォ・タランテラ
「ファウスト」による華麗なる幻想曲
アンコール モンティ チャルダッシュ
若い人が一所懸命に弾く音楽を聴くのは、先入観の所為かも知れないが、心地よい。
ヴァイオリンの音が、開演直後には固く感じられてのが、段々柔らかく深みのある音に聞こえてくるのは、これも聴き手の心理的現象か。それとも、実際に楽器や奏者の調子が良くなるのか。
吉田は確かに触れ込み通り、実力派であると思われた。語りによれば、5歳の誕生日にヴァイオリンを習い始め、つい日前に二十歳になったそうだ。この業界では珍しく、お喋りは苦手だとの自己紹介もむべなるかなの訥弁だが、ゆっくりと必要事項を明瞭に伝えており、解り易く、好感度は高い。
と、高く評価しながら聴いていたのだが、超高音域で音程に違和感を覚えるところが有ったのも事実だ。当方の聴力劣化の所為かも知れない。
吉田南語録:
中学生の頃、「ウィーン奇想曲」などは“ウィーン風”に弾くものだよと言われたが、解る筈も無かった。その後、ある人曰く、“ウィーン風”とは、コーヒーの上にクリームなどをたっぷり山盛りにした甘いイメージだとか。
ヴィエニャフスキは、自身ヴァイオリンの名手であったが、ばくち好きでもあった。大負けした時に愛用の楽器を差し出したこともあるそうだが、その真似はしたくない。
諸田由里子語録:
吉田は今年1月からボストン住まいで、アパートは炊事禁止で困った。湯沸かし器と、こっそり炊飯器を持ち込んで食事をしている。おかずはサバ缶とか。この条件下で美味しく食べられるメニューをご存知の方、吉田までご教示下さい。