新聞記事で蛍の話題が続いた。当方の感覚では、蛍はまだ先の風物なのだが、ニュース性の点からは早い方が望ましいのだろう。
と思ったが、考えてみると、唱歌「夏は来ぬ」で“五月闇(さつきやみ)蛍飛び交い”と歌っている(5番)。文字通り五月のこととすれば、今頃では遅いくらいだ。尤も、この場合の“五月闇”は、いわゆる旧暦上の節気だろう。旧暦の五月は、今年の新暦では6月14日から7月12日までのようだから、“五月闇(さつきやみ)蛍飛び交い”は正に旬なのだ。
と言う訳で、老人の歌の集りでも童謡「ほたる来い」が歌われる。
ほ ほ ほたるこい
あっちのみずは にがいぞ
こっちのみずは あまいぞ
ほ ほ ほたるこい
これが一般に知られている歌詞で、起源不詳のわらべ歌らしい。
歌う会の講師先生が、歌詞には別ヴァージョンもあると紹介した:
ほ ほ ほたるこい
ちいさなちょうちん さげてこい
ほしのかずほど とんでこい
ほ ほ ほたるこい
わらべ歌にしては大人っぽい歌詞のような感じだが、同じメロディーで斉唱した。
後でネット検索したところ、この別ヴァージョンには別のメロディーが付いており、一説(『池田小百合なっとく童謡・唱歌』)には下總皖一の作曲である。他にも各種ヴァージョンのあることが判る。
二十四節気・七十二候(抄)
節気 候 年月日 現代・七十二候 読み
芒種 | 初候 | 25候 | 年 | 蟷螂生ず | かまきり しょうず |
次候 | 26候 | 年 | 腐れたる草蛍となる | くされたるくさ ほたるとなる | |
末候 | 27候 | 年 | 梅のみ黄ばむ | うめのみ きばむ |