年寄り相手の≪歌う会≫での、もう一つの刺激的経験は、二つのグループに分かれて、異なる二つの歌を交互に一区切りずつ歌うというお遊びである。
具体的には、歌A、歌Bの構成が、それぞれ≪A1・A2・A3・A4≫、≪B1・B2・B3・B4≫であるとすると、≪A1・B1・A2・B2・A3・B3・A4・B4≫のように歌う。実際には「はとぽっぽ」と「金太郎」を歌った。
他愛の無い童謡を材料にしての遊びであっても、区切り・区切りの間に他グループの歌を一区切りずつ聴き、スムーズに繋げて歌うのは、直ぐに出来るものではない。ピアニストも必死の様子であった。
歌の芸術面で有意義な遊びとは言えないが、講師の弁では“脳トレ”である。
強いて積極的に評価をするならば、音感トレーニングの効果があるのかも知れない。歌唱を中断し、別の歌を聴き、正しい音程で歌唱を再開するには、絶対音階?を記憶していなければならない。
トレーニングでどうにかなるものだろうか。効果があったとして、役に立つ(実益がある)ものだろうか。
いずれにしろ、面白い遊びではあった。