齋藤桂「1933年を聴く 戦前日本の音風景」(NTT出版 2017.12)に、≪大津浪記念歌岩手県撰 ≫として「復興の歌」と「慰靈の歌」が作られ、歌われたらしいことが紹介されていた。この大津波とは、1933年3月3日の三陸地震に伴う津波で、記念歌は「岩手県昭和震災誌 : 於昭和八年三月三日」(岩手県知事官房 1934.10.1)所載と記されていた。
一般名「復興の歌」については当ブログで何回か取り上げており、特に≪秋に備えて②~9.01防災の日~復興の歌 2013/7/9(火)≫では“過去の大災害の後に作られたこの種の歌が多数あるようだ”と述べたものの一つに該当するので、早速ウェブ上で入手した。
大津浪記念歌岩手県撰
図 大津浪記念歌 岩手県撰
復興の歌
大津浪くぐりてめげぬ 雄心 ( こころ )もていざ追ひ進み 參 ( ま )ゐ上 ( のぼ )らまし
慰靈の歌
亡靈 ( なきたま )は千尋の海に 鎭 ( しづ )もりて榮 ( さか )え行く代の 柱たるらむ
これら記念歌を当時の女学生(ご存命ならば百歳ぐらいと推定される)が毎年の記念日に学校で歌ったと記す動画を視聴した(https://www.youtube.com/watch?v=AHWX3_38604)。