東大の本郷学食に飾られていた名画が、無知のため廃棄されていたと、昨日からネット上でちょっとした話題になっている:
東大、絵の価値知らず? 食堂飾った著名画家の大作廃棄
4/27(金) 20:01配信 朝日新聞ディジタル
東京都文京区にある東京大学安田講堂前の地下食堂に飾られていた著名画家の大作が、3月末の施設改修に伴い、廃棄されていたことが、大学などへの取材でわかった。2012年に亡くなった宇佐美圭司さんによる4メートル角の作品だった。宇佐美さんの作品には数百万円の値を付けるものもあり、専門家は「絵の価値を知らなかったのではないか」と指摘している。
~廃棄された絵は、77年に大学側から依頼され制作したものだった。~
東大、廃棄?行方不明? 食堂の名画問題「改めて回答」4/28(土) 12:15配信
東京大学(東京都文京区)の本郷キャンパス安田講堂前の地下食堂に飾られていた著名画家の大作が、3月末の施設改修で行方不明になり、~食堂を管理する大学生協は一時、絵の所在について「処分した」とホームページに掲載したが、その後「誤った認識により回答してしまった」として記載を削除するなど混乱が続いている。~ 朝日新聞社
大学及び生協側が混乱していることは確かなようだが、“名画”そのものはどうなったのか、判然としない。廃棄物として処分されたのは事実なのか。生協が「誤った認識により回答してしまった」とはどういう意味なのか、実に不思議な言い草だ。責任を回避したい気持ちと、そのための時間稼ぎのような印象を受ける。
もう二十年ほども前のことだが、ある組織のある施設のロビーにかなりの芸術作品が飾られていた。素人目にも相当な財産価値があると思われた。それは作者から寄贈された物で、施設側は一銭も支払っていなかったので、財産としては登録していなかった。世間の評価では、その作品は数百万円の経済価値があるとのことであった。
その評価額を正直に登録する必要は無いかも知れないが、少なくとも重要な物品として、何がしかの名目的価額を以って財産登録するべきものと思われた。
今回の東大食堂の“名画”も、評価額はともかく、重要物品として台帳登録していれば、必然的に物品票が貼付されるだろうから、無造作に廃棄される不運は避けられたのではないだろうか。
≪77年に大学側から依頼され制作したもの≫だとすれば、通常はそれなりの対価が支払われるものだが、当事者間の友人関係などによって無償だったということも考えられる。その場合は、上記某施設と同様、資産として台帳管理していなかったことはあり得るだろう。
いつぞや、某県の美術館の所蔵品がいつの間にか偽物にすり替えられたり、紛失したりしていた事件がニュースになっていたが、今回の“名画”も、その価値を知る者が、ドサクサに紛れて公然と持ち出し、隠匿している可能性は無いだろうか。
小説を読みすぎたかな。