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Channel: 愛唱会きらくジャーナル
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ひなの日は ~ 転調の罠 ~ 平安朝の乙女

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某邸音楽サロンの日が迫って来た。今回は3月3日、いわゆる桃の節句に当たる。そこで、持ち歌として、堀内幸枝/中田喜直「ひなの日は」を出すことにしようと思う。童謡で雛祭りを題材とするものは十指に余るが、大人向きのものは他に思い付かない。
 
楽譜を引っ張り出してメロディーを口ずさむが、転調部分で躓く。頭の隅に、この歌の転調の面白い仕掛けの記憶が蘇った。何年も前に当欄で書いた筈だと検索して、≪読譜ふしぎ発見!~転調曲~通読移動ド唱法 2013/1/13()≫を読み返した。
 
自分の書いた記事にも拘らず、明確に理解するのに少し時間を要した。この歌は、♯5個のロ長調を基本とし、中間部に♭3個の変ホ長調が挟まった面倒そうな形式になっている。しかし、前回の記事の結論は、基調を♯6個の嬰ヘ長調、中間の転調部を♭6個の変ト長調で(移動ドで)読めば、一気通貫、転調を気にしなくてもよいということだった。
 
それは、メロディーをしっかりと覚えてから気付いた、言わば後知恵でしかない。楽譜を読んでそれを覚れなければ、実用性は無い。知識としては面白いが。
 
ところで、この歌の歌詞には気になる点があり、その一つは結びの≪平安朝の乙女みたいに あなたに会いに行きましょう≫だ。平安朝の乙女は、男の許へ逢引に行ったのか。男が女の許へ通ったのではなかったか。
 
作詞の堀内幸枝さんを検索したところ、1920年生まれ、健在で、昨年は全詩集を刊行したという、その方面では御高名の方と判った。とすると、当方の抱いた疑問は、生半可な通俗知識による読み間違いなのだろう。本当はどういう意味なのだろうか。

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