当会にとって、今や年一回の“ちゃんとした”ステージでの演奏の機会である≪文京アカデミー 生涯学習フェア≫が昨日終わった。このための諸々の準備、練習で数日ブログ更新も出来なかった。泥縄式と言うか、駆け込み式と言うか、練習2回、全員揃っての練習は本番二日前の1回のみでの出演であった。
≪歌でつ づ る啄木の生涯≫
渋民尋常小学校校友歌 石川啄木/楠正一「緑もぞ濃き」
啄 木 短 歌 三 首 (一握の砂) 石川啄木/高田三郎
やはらかに、不来方 ( こずかた )の、あめつちに
啄 木 土岐善麿/橋本國彦
渋 民 は る か に 新條カオル/貴村忠善
渋民小学校校歌 石川啄木/清瀬保二
初 恋 石川啄木/越谷達之助
別 れ 石川啄木/滝廉太郎
演奏における細かな齟齬は想定の範囲内ではあったが、「初恋」の間奏に続く“ 初恋のいたみを 遠く遠く ああ おもい出ずる日 ”を誰も歌い出さなかったのには焦った。恐らく2秒ほどの余分な静寂の後に慌てて発声したのは冷や汗ものであった。
「渋民はるかに」は歌謡曲で、中間に詩吟を挟む趣向だ。未経験者ばかりの中、蛮勇をふるって、当方が“詩吟もどき”に挑戦した。“東海の小島の磯の~”をさほど見っともなくもなく“吟じ”たと思うのだが、、、。
「別れ」を最後に持って来たのは、そのタイトルに鑑みてのことだが、メロディーが「荒城の月」で、会場の皆さんにもお馴染みだったことで、盛り上がり効果があり、盛大な拍手を頂いた。
しかし、啄木の時代には、現今我々が親しんでいる山田耕作流の編曲は無かったので、素朴な原曲に相応しい単純な伴奏で歌う積りだったところ、ピアニストの都合で結局現代風に従ったのは、啄木の世界を再現するという狙いを没却し、残念であった。
会場の入りは、一説には五十人ほどとのことだが、確かに今回は積極的な≪広報活動≫の効果はあったようで、数人の知り合いが顔を見せてくれた。温かいお志の“おひねり”まで頂いたのであった。このイヴェントに参加するのは今年限り、という気持ちがぐらついてきた。