当日の引用文を再掲する:
≪~啄木は、あたりはずれがおおきい。
はうきぼし玉座につかずかの虚空翔る自在を喜びて去る 石川彗星
明治四十年秋、小樽で、おそらくコップ彗星あたりを見たのだろうと思う。 ~≫
これは、検索で表示された文をコピペしたものだ。引用元を迂闊にも記録しなかった。
疑問点の一つは“啄木は「彗星」とも号したのか”と呈示しておいた。
もう一つ、“日経記事では「王座」で、上掲書では「玉座」という違いがある”ことも記した。
そして、その時書かなかったことだが、“啄木は、あたりはずれがおおきい”という記述の意味がピンと来なかった。しかし、著者にはそのような意識があるのだろうと“忖度”し、それ以上追及はしなかった。
とにかく、疑問点が放置されたままでは、自分ながら落ち着かないので、取り敢えず図書館で海部の著書を実見したところ、何と、“彗星は、あたりはずれがおおきい”となっているではないか。これなら疑問の湧く余地は全くない。海部先生には関係無い、引用者の入力ミスを当方が孫引きしたというお粗末の一席であった。
「玉座」は「玉座」の通りであった。
残るは、“石川彗星”の真否である。上掲書巻末の≪主用引用・参考文献≫に岩波文庫「新啄木歌集」が挙げられており、これが“はうきぼし~”の出典であると思われるので、近日中に確認したい。