ハンドベルのランチタイムコンサートがあると聞き、クリスマス音楽を楽しみに出掛けた。
始まってみると、当てが外れて、福祉作業所の通所者に晴れの舞台を提供する趣旨のイベントであった。
彼らを貶すつもりは無い。実際のところ、メンバーの技量はまちまちだが、とても上手にベルを操る人もいる。タイミングのずれる人もいれば、両手のベルを鳴らす人もいる。全体を曲にまとめるのは一仕事だ。
手話による歌唱も披露し、聴衆に即席の講習会を実施した。
月に1回の練習とのことで、恐らくは半年ほどかけて今日の本番まで漕ぎつけたのではないか。指導者共々、彼らの努力と忍耐に敬意を表したい。
彼らの演奏のサポート役として、趣味のハンドベル・チームが出演した。こちらの演奏の最後の曲が、単に「カノン」とだけ紹介され、昔から知られた曲だとのことだが、初めて聞く曲のように思われた。
気になるので、≪カノンハンドベル≫で検索し、沢山ヒットしたのが「パッヘルベルのカノン」だった。かれこれ十年近く前に三重唱でさんざん歌った「遠い日の歌」がこの曲を基にしていた筈だ。文字通り、我が「遠い日の歌」だ。
なのに、今この原曲を聴いても全く「遠い日の歌」を思い起こさないのは、どうしたことか。歌への編曲が大胆で、原曲の趣を薄めているのか。それとも、我が脳細胞の滅失が加速度的に進行しているからか。