今朝の朝日新聞一面トップニュースに、数字遊びを趣味とする当方は目を奪われた:
≪ 数学の超難問・ABC予想を「証明」 望月京大教授 12/16(土) 3:01配信 朝日新聞
長年にわたって世界中の研究者を悩ませてきた数学の超難問「ABC予想」を証明したとする論文が、国際的な数学の専門誌に掲載される見通しになった。執筆者は、京都大数理解析研究所の望月新一教授(48)。今世紀の数学史上、最大級の業績とされ、~ 望月さんは2012年8月、論文を自身のホームページ上で公開。数理研が発行する数学誌「PRIMS」が、外部の複数の数学者に依頼し、間違いがないか確かめる「査読」を続けてきた。~
〈ABC予想〉1985年に、D・マッサーとJ・オステルレにより提示された整数論の未解決問題。整数aと整数bの和である「c」と、三つの数a、b、cそれぞれの素因数の積との間に生じる特別な関係を示している。積と和の関係は未解明の部分も多く、さらに不等式で示されていることが、解決を一層難しくさせてきた。整数論の様々な問題の根幹に関わる重要な予想と位置づけられている≫
記事による限り、 〈ABC予想〉の意味するところは、国語的には算数レベルで理解できる。いつぞやの 〈小沢の式〉よりは組しやすい(ハイゼンベルクの不等式~不確定性原理~小澤の不等式 2012/2/13(月))。
算数的に理解したとしても、“それがどうした?”とか“それで?”との意識が残る。つまり、その証明が科学的に(社会的に)どのような意義を有するのか、ピンと来ないからだ。
その点について記事は、“他の数学上の難問の解決に多大の寄与を為す”と説明している。その理解を助ける一例が、彼の有名な「フェルマーの最終定理」をいとも簡潔に“証明”できるようになることであると、あるサイト(未来の普通)に解り易い説明があった。
ところで、上記記事は〈ABC予想〉を一般人に理解できるようにパラフレーズしており、本来の数学的記述は、やはり、それなりに難解である(ウィキペディアなど)。当然に、望月論文も超難解であり、指名された世界的数学者たちが数年がかりで“査読”したようだ。今でも、理解できる人は限られているらしい。
くどいようだが、〈ABC予想〉の通俗的理解を得たものの、その望月先生による証明については、≪宇宙際タイヒミュラー理論 Inter-universal Teichmuller Theory ≫なる新理論を駆使したということしか読み取れていない。