太鼓が本業だと思われるパーカッショニストさん、実に器用で多種多様な楽器を操る。手近の器具や物体を打楽器に変身させて即席演奏をする。
肩から吊り下げた中太鼓をリズミカルに叩きながらピアニストに途中から入れと合図する。ピアニストがタイミングよく弾き始めた曲がいつの間にか馴染みのメロディーとなり、そこへソプラノ先生が参入する。
「リンゴの歌」であることは直ぐに解ったが、歌詞がおかしい。よくよく聴けば、東北弁(?)に翻訳されているのだった。ピアニストは青森県出身であると紹介されていた。
拍手喝采の後でソプラノ先生が同僚二人から話を引き出して聞かせたところによれば、「じょっぱり」と呼ばれる太鼓演奏に合わせてピアニストさんが作曲し、三人で事前に練習しておいたらしい。
先生の本日のソロ曲は、ア・カペラで“AmazingGrace”だった。原語で通したのと、途中で2回1音ずつキーを上げたのとで、プロの誇りを見せた。そのあと、参会者全員に、メロディーに乗せて“ありがとう”を連呼させた。
パーカッショニストさんがもう一つ、鍵盤ハーモニカをおでこで奏でるという、前代未聞の曲芸を披露した。空気の吹込み口を咥え、両手で横持ちした楽器の鍵盤をおでこで押さえて、正確にテンポよく音を出すという信じられないような技だ。