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Channel: 愛唱会きらくジャーナル
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東海林太郎~インテリ流行歌手~ペチカ燃えろよ

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「東海林太郎歌のすべて(東海林太郎吹込歌謡全集)」(東海林太郎歌謡芸術保存会、平成2年)という資料に、巻頭言として東海林の昭和14年頃の文章が載っている。
 
“或る日の感想”と題し、彼の流行歌手としての心の持ち方、プライドを述べたものだ。その中に、次のような一節がある:
 
“流行歌とはほんとうは流行した歌の意味である。レコード会社では流行させようと思ふ歌のことを流行歌と称し、吹込をして出来上つたものを、流行歌と銘打って発売するのである。これはレコード会社の営業政策である。”
 
自分が持ちつ持たれつの関係にあるレコード会社について、冷静な、あるいは大胆な発言をしているように見える。内容は至極まともである。音楽畑で純粋培養されたのではない、知識人らしい発言だ。
 
ここで、東海林太郎先生の権威あるいは名声に肖る格好になるのだが、当ブログでひと月以上前に書いたこと(佐藤春夫~弘田龍太郎~西條八十 2014/3/3(月))を思い出す。
 
《“国民頌歌”とは何か、不明である。レコード会社が販売促進のために、任意に命名したものか。
 
この資料に見開き2ページで彼のレコード盤面写真(レコードラベル)が11枚掲載されている。私算では、彼は1006曲の吹込みを行っている。レコード枚数は、その半数程度と思われる。無慮五百枚のレコードの中から如何なる基準でこれら11枚を選び出したのか、貧弱な想像力の域を超える。
 
その件はさて置き、その11枚の中に、あの「ペチカ燃えろよ」が含まれているではないか。売れっ子流行歌手となった東海林にとっては特に気に留めることも無い歌の一つではなかったかと想像したのだが(2014/4/6(日))、評価を改めなければならないかも知れない。
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