小島寛之「世界は素数でできている」を“一応”読み終わった。素人向けに書かれたとは言っても、高度な内容や最先端の話題なども扱っているほか、記述が腑に落ちない箇所もあるので、総て理解するにはほど遠いのだが、とにかく良い刺激になった。
キラク(素)数Kn=3n+2や、その拡張形Kn,m=3n±2m をでっち上げて遊んでみたのも、その刺激の余波である(キラク素数②~関数形拡張~キラク族数列 フェルマー素数~有限・無限探求~キラク素数)。
そもそも、メルセンヌ(素)数2n-1や、フェルマー(素)数22n + 1≪2の<2のn乗>乗≫の定義式には、何か意味あるいは必然性があるのか、不得要領である。素数を生み出しそうだと直感的に思いついたものだろうか。そうだとすると、我がキラク(素)数もそうだが、意味付けの無いままに、恣意的にいくらでも計算式を提起することが出来る。
フェルマー素数は、定規とコンパスによる正多角形の作図問題の一般解に関係が有るとのことで、ガウスが明らかにしたという話は有名だ。これなどは、その数式に必然性を見ることは可能だ。
しかし、メルセンヌ素数には完全数との対応関係があるとのことだが、それが如何なる意義(実用性)を持つのか、当方には解らない。(完全数とは、自分自身を除く正の約数の和に等しくなる自然数のことである。完全数の最初の3個は6 (= 1 + 2 + 3)、28 (= 1 + 2 + 4 + 7 + 14)、496 (= 1 + 2 + 4 + 8 +16 + 31 + 62 + 124 + 248) である:ウィキペディア)
ところで、今頃話題に取り上げるのも些か「蛍光灯」気味で恥かしいが、メルセンヌ数とフェルマー数とは、それぞれの定数項±1を除けば、どちらも2のべき乗である。つまり、重なる関係にある。言うまでも無く、メルセンヌ数(のべき乗項)がフェルマー数(のべき乗項)を包含する。ただし、定数項を含めた計算結果で重なるのは、3だけだ。
メルセンヌ数の定数項の符号を逆の+にした定義式で素数がどの程度得られるかを手計算したところ、n=18まででは6個で、- の場合と変わりなかった。この先、nが大きくなってもも変わらないとは思えないが、計算が面倒なので、確認はまたの機会にしよう。
ちなみに、我がキラク(素)数Kn=3n+2 では、n=18までで9個の素数を得ているから、素数産出力は相当“優秀”と見ることが出来るのではないか。尤も、オイラーのn2+ n + 41 にはとても敵わない。