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Channel: 愛唱会きらくジャーナル
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アメリカ流仏教入門② ~ 仏教ジョーク ~ お墨付きアインシュタイン

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「アメリカ流 マインドを変える仏教入門」(2017/8/26())は、当然ながら、仏教の教理を先験的に呈示するのだが、全体としては、仏教が「暮らしに役立つ」教えであることを強調している。そのための例え話、寓話の類いを常套的にふんだんに活用している。
 
それらよりも面白いのは、ジョークである。アメリカ流の冗談であるから、英語で語られなければ本当の面白さは直には伝わらないのだが、著者の解説を通してであっても解る部分はある。ホットドッグ屋と客の坊さんとの遣り取りのジョークなどは、仏教についての知識をかなり有していないとピンと来ないだろうが、良く出来ている:
 
 前半 店 員“トッピングは如何しますか?”
     坊さん“すべてをひとつにしてくれ!”
         (人と全世界の一体性の思想)
 後半 坊さん“change(お釣り)を未だ受け取っていないのだが?”
     店 員“change(心の変革)は内面から得るべきものです”
 
仏教と科学とは相性が良いことにも力点を置いていて、心理学とのコラボレーション(衣裏繋珠の喩えなど)、現代物理学の知見と仏教思想との整合性などを丁寧に紹介している。お墨付きとして引用しているアインシュタインの言葉はアインシュタインの数多い著書のどれからか:
 
≪仏教は未来の宇宙的な宗教に期待されるべき特徴を持っている―――人格神を乗り越え、独断的な教義と神学を避けているし、自然なるものとスピリチャルなるものの両方を含み、自然的なものもスピリチャルなものも、あらゆるものを有意義な統一体として経験するところから出発する宗教的な感覚に基づいているからだ≫
 
「諸行無常」の内容として、≪世の中のあらゆるものは変化・生滅して一つの状態にとどまらないこと≫という常識的な説明に加えて、≪無常はあまりにも早く突然やって来るものである。過去にこだわってはならない。未来を夢想してはならない。それよりも今この瞬間に心を集中させなさい≫と述べているのは、著者の独創か、それとも既成の思想か。

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