先日、次のようなニュースが流れた:
解放の牧師 1人で食事2757回 8/14(月) 15:49 掲載
【AFP=時事】北朝鮮で2015年に拘束され、医療上の理由で今月解放された韓国系カナダ人牧師のヒョンス・リム(Hyeon Soo Lim)氏(62)がカナダに帰国した。13日、トロント(Toronto)郊外の教会を訪れ、集まった信徒らを前に北朝鮮での2年半にわたる服役中の「圧倒的な孤独」と過酷な状況について語った。(AFP=時事)
牧師の解放自体、興味深い出来事である。あの国の、聞き分けの無さそうな独裁者が何の見返りも無しに≪医療上の理由で≫貴重な人質を解放するとは思われない。両国間で何らかの取引が行われたものと推測される。
が、確たる根拠も無しにあれこれ論じるよりも、数字マニアの身の丈に合った目線でこのニュースを読めば、考察対象は断然≪食事2757回≫である。何故概数でない精確な数字が持ち出されるのか。どのようにして算定されたのか。
収監中の孤独な生活を印象付ける狙いがあるのは当然だが、どの程度根拠のある数字なのか、試算してみた。
文中に≪2年半にわたる服役中≫とあるから、その間の食事回数を指しているに違いない。文字通り≪2年半≫とすると、≪365+366+183=914≫日に当たるだろう。誤差として≪-1≫日を見込む。毎日3回の食事を与えられたとすると、計2742回となる。
食事≪2757回≫には15回、つまり5日分不足する。牧師さんは、2年半より5日長い919日の期間捕われていたことを明確に認識していたものと判る。食事以外のことは如何なる状況だったのだろうか。看守に見張られ、命令されるほか、誰にも会わなかったのだろうか。
頭脳明晰で強い精神の持ち主だと推察される。
蛇足ながら、919は素数だ。