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数学の演奏会 ~ 音楽演奏の一回性 ~ 口承伝承の演奏

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最近続けて「演奏()」という言葉が意外な場面で使われていることを知った: 
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     数学の演奏会 森田真生 2017/8/10付 日本経済新聞 夕刊
7年前から「数学の演奏会」と題して、数学についてのトークライブを全国で開催している。音楽の世界には作曲家だけでなく、優れた演奏家がいて、楽譜をじかに読む代わりに、彼らの演奏を通して音楽に触れることができる。ところが、数学の世界には素晴らしい作品がたくさんあるにもかかわらず、その作品を人に届けるプロの「演奏家」がいない。数学史上の名作を、より多くの人に届くように演奏することはできないものか。そうい…
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森田氏は、まだお若いようだが、「演奏会」では数学だけでなく、人生論など哲学的講話も披露なさるらしい。拝聴するには入場料も必要な「演奏会」が、数年継続されているとのことで、それなりの評価を獲得しているものと思われる。
 
西江雅之『アフリカのことば――アフリカ/言語ノート集成』(河出書房新社. 2009

    書評(小沼純一 UP No.537,July 2017, p.48)によれば、西江氏は、≪実際の口承伝承をとらえるということを考えた場合、最も基本的な条件は、それが一回限りの演奏であるという点である≫と言う風に、口承伝承を音楽の演奏と同質のものとして考察しているらしい。

 
小沼氏は、西江氏自身が語ったことを本の形にした『「ことば」の課外授業』などの著作を、≪まさにひとりで思考しながら書くのとはべつの語りのあり方をこそ体現し、~相手がいるなかでこその「演奏」なのではなかったか≫とも述べている。
 
「数学の演奏会」にしても、「口承伝承の演奏」にしても、そのような用語法が出現して既に何年も経っているところを見ると、社会に認知されているのだろうか。普及しているとは思えないにしても。

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