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Channel: 愛唱会きらくジャーナル
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日本語3題目~読点の位置~難文の効用

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ある広報誌に次のような文があった:
 
“・・・強引に煌びやかな色で灰色を塗りこめてしまうと、例えば「倍返しだ」の展開する綺麗な景色が理不尽を黙々と耐えていると、相手がそのうちに頭を下げてくれるというどこかに存在するかもしれない別の麗しい光景まで消し去っていることに気付きにくくなる。”
 
何を言わんとしているのか、なかなか呑み込めなかった。何回も読み返してから、文中の重要と思われる概念を拾い上げて対置させながら読み直すうちに気が付いた。一つの読点が災いを為していたのだ。
 
“・・・綺麗な景色が理不尽を黙々と耐えていると相手が・・・”ではなく、“・・・綺麗な景色が理不尽を黙々と耐えていると相手が・・・”であるべきなのだ。
 
このパソコン時代、著者が自ら作成したデータをそのまま印刷している筈だ。ご本人には、当然のことながら、文意は解っているので、読点を何処に打とうが、自然に読めてしまう。
 
しかし、他人はそうは行かない。特に、長い、複雑な文では、読点を何処に打つかが、解り易さを大きく左右する。
 
上例程度の文をすらすら読解出来ないようでは、頭の中に靄が掛っていると思わなければならないかな。その自覚が促されるという意味では、悪文(失礼、難文?)を書いて下さる方に感謝しなければいけない。
 

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