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Channel: 愛唱会きらくジャーナル
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設置前桟橋転覆~産業事故連鎖~構造欠陥か

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近年大きな産業事故が続いており、収束する気配が無い。昨朝、日本最南端の沖ノ鳥島海域で沈設作業中の桟橋が転覆したとのこと、報道による限り、過失の疑いが濃い。
 
コスト削減が叫ばれ、安全性が軽視されている社会風潮が最果ての工事現場に災害をもたらしたのだろうか。公衆の目の届かない洋上での作業ということで、関係者の間に気の緩みは無かったか。
 
情報が少ない状況ではあるが、事故原因など推理してみよう。事故当時、波や風は穏やかで、それらが原因での転覆でないとの認識は関係者に共通しているようだ。載貨の偏りなどという初歩的なミスは無かったとすれば、作業手順を誤ったか、桟橋の構造に欠陥があったか、あるいは、その他の原因が考えられる。
 
桟橋を浮かせるために、先ず台船を沈めるのだが、傾き始めたタイミングについて、矛盾する証言がある。発注者側は、桟橋が浮いた時点では問題が無く、曳き船が桟橋を曳き始めたら傾いたと言っている。請負側は、桟橋が浮くと同時に傾き始めたと言っている。
 
両者が目視による感想を述べているだけであるとすれば、言い分の違いはあまり重みが無いが、作業中の計測記録に基づくのであれば、何らかの意味があるだろう。
 
しかし、安全に浮いている桟橋を曳いただけで傾き始めるとは考えにくい。桟橋自体に問題があったのではないか。桟橋は、素人目にも重心の高い造りであり、安定を確保するのにそれなりの手立てが講じられていたことは間違いないだろう。
 
それでも転覆したのだから、手立ての講じ方に抜かりがあった可能性が高い。現場海域へ曳航する前に本土付近で一度浮かせて安全を確認したとのことなので、それが事実であれば、その後に構造上の変化があったとしか考えられない。
 
その危険な構造変化が起こり得るのは、どのようなケースであるか。妄想を逞しくすると、当初からの欠陥(施工不良など)を除外すれば、破壊工作が考えられる。桟橋が水密性の函体で、幾つかの区画に分かれているとして、一部に浸水するような工作を施していたとすれば、台船が沈下したところで桟橋は傾くだろう。何者が?と考えると、非現実的な想定と言わざるを得ないが。
 
その他、構造詳細が不明のまま推理すれば、桟橋を台船上で固定している装置を、桟橋浮上時に解除する段階での問題もあり得るだろう。例えば、固定装置の解除が不十分なまま曳航を始めれば、桟橋を損傷することになるだろう。新聞写真で見る限り、その可能性は無さそうだが。
 
損傷と言えば、写真で見て取れる桟橋のへこみは何だろう。想像力の限界を超える。
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