三浦佑之/著「古事記学者(コジオタ)ノート」(浦島太郎~たいやひらめの舞踊り~男女の体... 2017/4/29(土))はエッセー、短編をまとめたものなので、当方としては面白そうな部分だけをつまみ食いした。その一つが≪金印「漢倭奴国王」捏造≫説である。
国宝とされている金印について、小・中学校あたりで教わったところでは、福岡県の志賀島と云う所の畑を耕していた百姓が偶然に掘り当てたものだそうだ。![イメージ 1]()
子供心にも胡散臭い話だと思ったし、その後も今に至るまでインチキだとおもっているのだが、公式には≪後漢の光武帝が建武中元2年(57年)に奴国からの朝賀使へ(冊封のしるしとして)賜った印≫(ウィキペディア)とされているらしい。
三浦先生は国文学者であり、歴史学者や考古学者ではないとはいうものの、古事記研究者であるから、それなりに日本史の素養はお持ちであるに決まっている。金印の素性について明確に否定的見解を披歴しておられるのが小気味よい(189-190ページ)。『金印偽造事件「漢委奴國王」のまぼろし』という著作をものされてもいるらしい(幻冬舎新書、2006年)。