Quantcast
Channel: 愛唱会きらくジャーナル
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1579

カルバニズム ~ 食脳 ~ カニバリズム

$
0
0
『學士會会報』No.923(平成293月発行)に「多発から消滅へ 紀伊半島・グアム・パプアをつなぐ特異な神経風土病ALS/PDCの不思議」(葛原 茂樹)という面白そうな記事を見付けた。
 
グアム、紀伊半島南部、インドネシア・パプア州の三地域は東経135度から145度の間に南北に並んでおり、そこにALS(筋萎縮性側索硬化症)とPDC(パーキンソン・認知症複合)が多発していたが、原因不明なまま短期間に激減、消滅したという話だ。
 
風土病と言えば、原因は土地の生活環境や住民の遺伝的特質が直ぐに想像される。環境が変化したり、改善されたりすることはよくあることだし、遺伝性の病気も人々の交雑で薄まることが考えられる。しかし、専門家が原因不明と断じているのだから、そんな単純な話ではないだろう。
 
ミステリーの要素に興じながらも、一つ、気になった言葉がある。〈西ニューギニア(パプア)のALS/PDC〉の項に、出てくる「カルバニズム」である。“Fore族に多発する致死的脳疾患であるクール―が、ヒト脳を食すというカルバニズムに起因する~”というように使われている。
 
カニバリズムcannibalism の誤りではないかと思われた。食人を意味する。リオのカーニバルは例年通り日本でも派手な写真と共に伝えられた。そのカーニバルと語源的に繋がるcarnivorous(肉食の)と似ているようだが、一応別語源らしい。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1579

Trending Articles