某集会所の前庭にカリンの木が植わっている。正面玄関の真ん前で、樹高はせいぜい3メートル程度だが、形の整った実を付けていた。今日行って見たら、「木守り」と言うのだろうか、1個だけ残して綺麗に収穫されていた。トイレの鏡の前に1個置いてあった。果実も、しっかり管理、利用されているものと思われる。
そのカリンの近傍の木の下にピンポンボール大の黄色く丸い物体が落ちていた。鮮やかな黄色だったので手に取って見ると、柑橘類の実であった。真ん丸ではなく、長楕円体風で、5センチほどの小枝の先に4,5枚の葉を伴っていた。全体の印象ではキンカンかと思われたが、真ん丸でないのが気になった。
拾った実を裏返すと、果皮に径5ミリほどの穴が開いていた。中身は損傷していないようであった。改めて親木を見ると、程々に実が着いており、色づき具合は様々であった。手近の1個を見ると、これも穴が開いていた。無傷のものもある。どうも、よく熟した実が穴あきになっているようだった。
穴を開けたのは、小鳥ではないかと想像された。小枝ごと落果するのも何となく納得できる。我々はキンカンの皮を賞味するが、小鳥も同じ趣味を持っているのか。拾った穴あき実を洗って皮を齧ってみると、旨かった。キンカンに間違いないと確信した。
しかし、形が腑に落ちないのでネット検索したところ、ナガミキンカンなる種類のあることが判った。種子を蒔いて発芽実験をしてみよう。上手く芽が出たら、気長に花と実を待とう。当方の寿命と競争だな。