遠慮無く声を出せる無料の場を求める本能が格好の催し物を見付けた:
歌声喫茶を開催いたします♪ 2016/10/19
平成28年10月22日(土)歌声喫茶を開催いたします。
秋の歌をメイン、ゲスト(菅野潤氏)をお迎えして皆様と楽しく歌います。
また、当日限定メニューの『おはぎ(100円)』もお試しください。
定員40名という会場は、同好、同年輩の兄姉でほぼ満杯となった。司会(兼歌唱リード兼ソロ披露)と電子ピアノ伴奏の女性は、当該施設の職員とのことだ。最近は公的施設の管理全般を民間団体に丸投げするのが普通だから、彼女たちも公務員ではなく、団体の職員なのだろう。さすがに柔らかい感じだった。
年輩のお客さんをおだてながら場を盛り上げて進行させる技量は、その道の豊富な経験を物語る。音楽教育のバックグラウンドも明らかに見て取れる。ピアニストの方は、明らかにアマチュアという風情であったが、よく準備して来た様子だった。
お客さん達も歌い慣れた人が多く、男性の中には自慢の声を聴かせようと張り切っている様のありありと聴き取れる人もいた。勢い余って、司会ソリストとゲストのデュエットに大声で参加したのには、さすがに振り向いて眉をひそめる人達もいたが、全く意に介さぬ豪胆振りであった。
しかし、後で考えてみると、彼の横紙破り的高唱の底には、無理からぬ気持ちがあったのではないかとも思われた。誤解かもしれないが、歌声喫茶というのは、お客さんに歌わせるのが目的の場であるとすると、主催者側の人間だけで歌うということ、すなわち、客の意向にお構いなく第三者の歌を聴かせることは、その場の趣旨に反するのではないかと。
尤も、プログラムに“ゲスト シンガーソングライター ○○”と刷りこんであるのだから、その辺はあらかじめ了解するのが常識だろう。