図書館に予約しておいた「ニューヨークタイムズの数学――数と式にまつわる、110の物語」(\5,000、原題The New York Times Book of Mathematics: More Than 100 Years ofWriting by the Numbers $22.24)が届いた。ニューヨークタイムズの人気連載記事124年間分から選んだ面白い数学の話題をまとめた本だと言う。
これから読むところだが、ざっと眺めて直ぐに≪モンティ・ホール問題の裏側:当惑、論争、そして解答?≫の項目が目に付いた(三択鞍替え二択問題②~モンティ・ホール問題~納得2015/1/27(火) )。新聞に掲載されたのは1991年7月21日で、この問題の論争が始まったのは前年9月だそうだ。
一般にはあまり知られていなかったこの問題も、一部の数学者には以前から≪モンティ・ホール問題≫あるいは類似の名称で知られていた。それは、1975年に
AmericanStatistician 誌に掲載された論文が基になっているとのことだ。
さらに、この問題の前身に当たる≪3囚人問題≫は、1959年に
Scientific American 誌でマーティン・ガードナーが分析している(註)というから、三十年も前から知る人ぞ知る問題であったものが、リヴァイヴァルを果たした格好だ。現在は更に二十五年経っている。あと十年もすれば、また同じネタで論争が盛り上がる可能性があるだろうか。
(註:ウィキペディアによれば、ガードナー自身は、「ベルトランの箱のパラドクス (Bertrand's box paradox 1889)」を下敷きにしていると考えられている。このパラドックスの説明は、
http://www.crl.nitech.ac.jp/~ida/education/math/bertrand.pdf から引用する:
3つの箱があります。
1.2枚の金貨が入っている箱 (GG)
2.2枚の銀貨が入っている箱 (SS)
3.1枚の金貨と1枚の銀貨が入っている箱(GS)
一つの箱をランダムに選んで,さらにその箱の中から一枚のコインをランダムに取り出したときに,それが金貨だったとします。この時点で,選んだ箱が SS である可能性は除外されたので,選んだ箱は GG か GS かのどちらかであることがわかります。そこで,箱に残ったもう一枚のコインが金貨である確率は 1/2 のように思えるかもしれませんが,実はその確率は 2/3 です。)