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Channel: 愛唱会きらくジャーナル
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耕筰版「赤とんぼ」~ 謎解き ~ シューマン「協奏曲:作品134」

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かなり前に、それより更に大昔の不思議な経験として、アメリカのラジオで「赤とんぼ」(三木露風/山田耕筰)のメロディーが間歇的に現れる器楽曲を聞いたことがあり、当欄にも記したような気がするのだが、検索してもヒットしないから勘違いかも知れない。
 
その不思議な経験は何年間も頭の片隅に引っ掛かっていて、知人たちに話したものだ。誰も真に受けなかった。他人にとってはつまらないヨタ話なのだろう。しかし、当方にとっては、何回も反芻した甲斐があって、齢を取っても消えることの無い永久記憶遺産となっている。
 
この数十年に亘る謎が、つい先日、あっけなく解けた。多分。
 
「赤とんぼ」が今月末の訪問コンサートの演目に入っているので、習慣的にウィキペディアを参照したところ、次のように述べられていた:
 

なお、この曲の前半は、シューマンの『序奏と協奏的アレグロニ短調 op.134』(Concert - Allegrowith Introduction for Pianoforte and Orchestra Op. 134)の中で18回繰り返されるフレーズに酷似していることが指摘されている[1]

1^吉行淳之介『赤とんぼ騒動』文藝春秋」第59巻第9号(198181日発行)所収、『赤とんぼ騒動わが文学生活 19801981潮出版社1981
 

早速、シューマンの『序奏と協奏的アレグロニ短調 op.134』を検索するとインタネット上に幾つも音源が公開されていたので、“18回繰り返されるフレーズ”かどうかはともかく、酷似するメロディーを確認できた。

 
シューマンの曲ならば、アメリカのラジオから流れて来ても不思議はない。
 

  酷似指摘はいつごろから人口に膾炙しているのだろう。耕筰がこれを作曲したのは1927年だそうだ。


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